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各振興局からの情報

【官民連携による人材確保推進プロジェクト】トヨタも視察する企業から講師を招き「秋田県の人材を育てるために行動する社長会議」特別講演会を開催しました!

◎官民連携による人材確保推進プロジェクトとは
 過去に例のない程の人手不足の中、県内の民間事業者の中には会社の業務と目指すビジョンを明確化し、社員に一緒に会社を発展させていこうという熱意を示し、“社員を大切に育てること”を柱とした様々な人材確保対策を実践している社長等が活躍しています。
 しかし、こうした民間事業者の存在は今後の県内産業を担う高校生や大学生、その保護者、教師等にあまり知られておらず、人材確保対策が十分に効果を発揮しているとは言いがたい状況です。こうした熱意ある民間事業者が主体的に行う人材確保の動きに連動し、
  ①各業種における“人材育成企業の動き”を世の中に広くPRすること
  ②企業のトップ同士が業種を超えて出会い、人材確保の効果的な取組手法を
   発表しつつ、相互連携等の仕組みについて協議・合意・実施する場を設置
   すること
  ③そうした民間事業者の動きを市町村、県及び国が連携してサポートすること
を推進することで人材育成企業を県内に増殖させ、従来以上に雇用を増加させることにより、若者の県内定着の拡大につなげることを目的とした「官民連携による人材確保推進プロジェクト」を平成30年度から展開し、そのプロジェクト展開の検討等を行うため「人材確保のために行動する社長会議」(以下「社長会議」)を設置しています。

 平成31年3月26日(火)に、長野県伊那市にある伊那食品工業(株)の塚越寛最高顧問をお迎えして、特別講演会を開催しました。

【官民連携による人材確保推進プロジェクト】トヨタも視察する企業から講師を招き「秋田県の人材を育てるために行動する社長会議」特別講演会を開催しました!_a0133583_19150238.jpg

 講演は、「魅力ある中小企業の作り方」という演題で行われ、管内企業や行政関係者等約50人ほどの聴講者で会場は埋まりました。 伊那食品工業は寒天づくりの食品製造メーカーで、社員500人、売上高約200億円、経常利益は7~8%から12%程度で無借金の会社であり、当初は、社員も10人ほどで設備もモーターが4台くらいの会社でしたが、創業から48期連続増収増益を記録するなど、トヨタのトップも訪問しにくる会社になったとのことです。
 講演の概要は以下のとおりです。●「年輪経営」、つまり、毎年少しずつ確実に伸びる、景気のせいにしない、頼らないことが、会社のあるべき姿であり、今後も確実に成長しようという考え方が大事。●二宮尊徳の「遠くをはかる者は富み、近くをはかるものは貧す」という言葉に感銘を受けた。現状に甘んずることなく、常に10年後、20年後、30年後をどのようにすべきかを考えるべき。●価値観の変化を読むのが経営者の仕事。当社では、生産現場の人は減っているが、研究開発やマーケティングの人は増えている。●人手不足と言われているが、当社は毎年大卒を20~25人採用している。それに対して50~60倍の応募者がある。当社のイメージや待遇が良いからか誰も辞めない。●寒天工場は床が水で濡れているのが当たり前、そのような環境をなんとか改善したいと考え、「長靴よさようなら運動」を行い、10年かかって達成した。綺麗な環境にすることが社員への優しさである。●経費は他社の売上げだから経費節減はしない。日本中の会社が経費削減をしたら不景気になる。コンサルはすぐに経費節約と言うが、私は利益を出したら使えと言う。●お客様がどうすれば喜ぶかを考えることは大切だが、どうやれば儲かるかを考えるのはよくない。●どうすれば社員が幸せになるか。社員の誕生日にケーキを贈るのはテクニックなので響かない。社員の健康を気遣う社長は本物。本当に考える社長に社員はついていく。 ●伊那市にある本社は3万坪の敷地があり、美術館やホールなど多くの人が集まる施設やレストラン等があり、年間40万人もの人が来る。その広い敷地を社員が朝早く来て、自発的に掃除している。●当社は2時間仕事すると休みがあり、その時にお菓子を食べながらコミュニケーションを取るが、その際のお茶菓子代として手当を出している。(毎月1人500円)●信念がぐらつくのは駄目。社長が替わって方針が変わるのは良くない。●当社では、会社の備品は勝手に使って良いことにしている。管理も特にしていない。当社は性善説でやっている。食品工場だが監視カメラもない。●給与は、特に優秀な人の場合に例外はあるが、基本的に年功序列にしている。社員の幸せな人生のため、子育てや教育費など経済的に安心して働くには、年々給料が上がる賃金体系の方が良い。●秋田には今回初めて来たが、地理的に問題あるとは思うが、これから変わる可能性も感じた。そのために地域の情報を発信しないといけない。正しく土地の魅力を伝える必要がある。 等
 講演会の後には、社長会議メンバーと塚越最高顧問による意見交換会及び懇親会を行い、講演会の話をベースにしてより詳細な話をしていただいたり、個別にアドバイスをしていただくなど、有意義な時間となりました。

 今年度も官民連携による人材確保推進プロジェクトを継続し、社長会議の開催のほか、人材の確保に向けた取組を推進することにしています。


by sankeibu | 2019-05-31 09:04 | 各振興局からの情報

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