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幹部ご挨拶

吉尾 聖子 食品産業振興統括監よりご挨拶

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 県農業試験場から異動し、4月から産業労働部食品産業振興統括監 兼 観光文化スポーツ部次長として、県の食品産業施策全般を調整する役割を担っております。

 本県の食品製造業における出荷額は、1,284億円(平成28年工業統計)で、本県の製造品出荷額の約10%を占めており、電子デバイスに次ぐ主要な産業です。しかし、歴史的、文化的な背景もあり、全国、東北と比較すると食品の出荷額は低位にあります。また、食品製造業は中小企業が多く景気やトレンドの影響をダイレクトに受けやすいのも現実です。加えて、有効求人倍率が高水準で続いている中、手作業に依存することの多い食品製造業は、他の製造業以上に人材確保に苦慮しているという状況もお聞きします。

 こうした中、このところの各企業の創意工夫、6次産業化などによる農林漁業分野からの進出により、食品全体の出荷額は伸びています。特に、近年、中小だからこそできるオリジナリティのある商品も注目され、県開発の「AKITA雪国酵母」などを活用した特定名称酒の「日本酒」、伝統食品である「いぶりがっこ」、農林漁業を背景にした「米加工品」や「しょっつる」、「佃煮」など、地域性にあふれ、話題性のある食品が秋田の食品産業を元気にしています。そして元気な企業には、事業を継承する次の担い手が育っていることも頼もしいことです。県は、こうした人材育成のための「あきた食品事業マネジメント力講座」を開催する他、トヨタ自動車東日本株式会社の御協力を得て、製造現場のカイゼン活動を実施する「食品事業者生産性向上支援事業」や機械導入に係る補助事業などにより、事業者の基盤強化策を講じています。

 食品は、観光の分野でも欠くことのできない資源であることは言うまでもありませんが、特に「発酵」を切り口に秋田の食を掘り下げていくと、米と雪の国秋田が育んだ物語性ある食資源「発酵文化」が色濃く見えてきます。「あきた発酵ツーリズム」を推進し、食品事業者や観光関連企業の御協力をいただきながら誘客と販売のコンテンツづくりや発酵食品のPRを進めています。

 また、新潟県に大きく水をあけられている「米加工品」の分野でも、米産県秋田として、特徴ある「米加工品」の商品開発や販路拡大のプロジェクトに取り組んでいます。この分野を後押ししようと秋田米加工利用促進協議会を立ち上げ、県総合食品研究センターの研究成果などを基に、食品事業者とともに商品開発を行っています。

 本県は、優良な米の生産に特化した県であったことから、食品加工が根付かなかったという経緯はありますが、逆にその優良な米を生かし、培ったオリジナルな食文化や加工スキル、多様な米以外の資源などを活用して、さらに秋田の食品産業が伸びるよう、県観光文化スポーツ部、農林水産部、産業労働部が連携して、食品事業者の皆様の意欲的な取組を後押ししてまいります。


by sankeibu | 2018-11-30 09:11 | 幹部ご挨拶

『秋田県庁 産業労働部だより』をお届けします。あきたの産業や経済に関する最新の話題をご紹介します。年4回(5月末、8月末、11月末、2月末)発行


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