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幹部ご挨拶

【副知事室からこんにちは】中島副知事から

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 皆さん、株式会社アスターという会社をご存じでしょうか?
 横手市浅舞にある企業で、革新的なモーター用コイルの研究開発で平成27年度にNEDOの戦略的省エネルギー技術革新プログラムに採択され、現在量産化に向けて国、県、市の支援を受け横手市に新工場の建設を進めています。このコイルは従来のものに比べ同サイズで最高出力3倍、同スペックではモーターサイズが約半分と軽量化も可能になると考えられています。自動車、航空機、その他産業分野で大幅な省エネや生産性向上が期待されます。

 こう言うと、県内の企業の方々は企業のレベルが違うからと最初から思われる方も多いのではないでしょうか。同社はもともと横手市出身の方が福島県で創業したアスター工業(株)が平成3年に開設した工場が元で、家電等の電子デバイス部品を製造していました。平成21年にリーマンショックの煽りを受け工場の閉鎖が決定、当時工場長だった本郷氏が地元の雇用維持のため事業を引き継ぎ、同社を設立したのです。モーター用コイルも平成24年から基礎研究を開始し短期間で事業の本格着手へと導きました。

 次に秋田ニューバイオファームという農業法人をご存じでしょうか?皆さんにはハーブワールドと言った方が分かりやすいでしょうか。全国でも農業法人の草分け的な存在です。秋田では冬期の農業従事者の所得確保が課題ですが、農産加工を核とした経営多角化により冬期間の不利益を克服し地域を売り込み地域に呼び込む地域振興戦略を実践した法人です。

 最後に世界に秋田発のダリアを発信した鷲澤さんです。こちらは秋田国際ダリア園といった方が分かりやすいでしょうか。同氏は若い頃商船会社の機関士として世界中を巡る中で、大輪のダリアのダイナミックさと美しさに心を引かれ、その後、育種家になることを決意。最終的に日本を代表するダリアの育種家になりました。

 この三つの事例に何も関係がなさそうに思えますが、私自身は共通する点が大いにあると思っています。それは各々の分野で難しい課題に対し諦めず取り組み、技術革新や新たなビジネスモデルを実現したという点です。難しい課題でも最初から諦める事なく、きちんと課題を見据えて冷静に分析判断し粘り強く取り組んだ結果として素晴らしい成果を生んできたと考えています。

 是非皆さんにも付加価値の高い新規事業、生産性向上や効率化に取り組んでいただければと思います。私達、県も県内企業の皆さんの取り組みに対して様々な分野で、技術面では産業技術センター、総合食品研究センター、農業試験場等農林水産関係試験場が、事業化・企業化に向けては企業活性化センター等がお手伝いします。事業の高付加価値化や生産性向上が各企業の収益力の向上につながり、ひいては社員個々人の雇用所得の向上につながると信じています。皆さんと一緒に若者が住みやすい豊かな秋田の雇用環境を作っていければと願う次第です。


by sankeibu | 2018-05-31 15:05 | 幹部ご挨拶

『秋田県庁 産業労働部だより』をお届けします。あきたの産業や経済に関する最新の話題をご紹介します。年4回(5月末、8月末、11月末、2月末)発行


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