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幹部ご挨拶

【課長ペンリレー】地域産業振興課長 神部 秀行

【課長ペンリレー】地域産業振興課長 神部 秀行_a0133583_9185748.jpg 地域産業振興課の神部(じんぶ)です。どうぞよろしくお願いします。

 先頃、日本創成会議が2040年までに若年の女性が半減する市町村を「消滅可能性都市」として発表し、全国に衝撃を与えましたが、これによると秋田県は大潟村を除く全市町村が「消滅可能性都市」に該当しています。こうした指摘を待つまでもなく、全国一のスピードで進む人口減少、6000億円にも上る県際収支の赤字といった本県が抱える構造的な課題に、危機感を持って真正面から向き合わなければなりません。
 これらの課題には産業政策面からの対応が特に重要であり、これからの本県を支える産業の育成・拡大や新たな産業の創出による安定的な雇用の創出、国内外を舞台にダイナミックに事業展開するビジネスの育成を目指し、新エネルギーやリサイクル、自動車、航空機、医療福祉機器などの成長分野の産業や中核的な企業の育成を県政の最重点施策として取り組んでいるところです。

 ところで、当面人口減少が避けられない中にあっては、効率性の観点からコンパクトなまちづくりを目指すという方向はもちろん必要ですが、行き過ぎた集中化は、本県の広大な空間容量の有効活用という観点からは相反する方向であり、たとえ一部であっても地域が消滅することは、そこに連綿と受け継がれてきた伝統、地域文化が失われることにつながります。
 こうした事態は、その地域や市町村にとって深刻な問題であるとともに、県土のそこここに根付いた多様な地域文化の集合体である秋田県のクオリティを保っていく上でも、最大限避けなければならないことだと考えています。
 このような意味から、今後大きな成長が期待できる産業の育成と併せて、食料品やアパレル、伝統工芸といったそれぞれの地域に根付き、暮らしを支えている産業も大切にしていこうと取組を強化しています。

 食料品は県内全ての、アパレルはほとんどの市町村に存在し、この2つの業種で製造業事業所の1/3、従事者の1/4を占めるなど、県民生活に溶け込んでいる業種です。伝統工芸を含めたこれらの産業が元気になることが地域の活性化に不可欠であり、今年度から、規模が小さくとも前向きな取組を、「がんばる中小企業応援事業」により応援しているところです。
 また、地域資源を発掘し、磨き上げ、多様な資源と組み合わせるなど、地域のハード、ソフトの資源を最大限に活用して新たな地域産業をつくりあげていく市町村を応援する事業も新たに立ち上げたところ、大仙市から「花火」をキーワードとした取組の提案を頂きました。 大曲の全国花火競技会は今年も8月23日に、全国各地から70万人を超える観客を集め大々的に開催されましたが、花火を年1回のイベントに終わらせることなく、そのブランド力を、花火製造業の振興や、技術の伝承・向上、さらには物産、通年観光など多方面に活用し、地域に「花火産業」を創り出そうとする構想であり、この先の展開が楽しみです。

 秋田が有する無形のパワーの維持向上といった質的な観点を大切にしつつ、人口、経済の縮小に歯止めをかけるための取組に積極的にチャレンジしてまいりたいと考えておりますので、皆様からのアドバイス、ご支援をよろしくお願いいたします。
by sankeibu | 2014-08-01 00:00 | 幹部ご挨拶

『秋田県庁 産業労働部だより』をお届けします。あきたの産業や経済に関する最新の話題をご紹介します。年4回(5月末、8月末、11月末、2月末)発行


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