NHKの大河ドラマ「黒田官兵衛」で舞台となった大分県中津市を皆さんはご存じでしょうか。ここには自動車会社であるダイハツ工業株式会社の最新鋭の工場が平成16年11月から操業を開始しています。私が九州に勤務していたのは平成21年から2年間だったのですが、その頃に噂で中津市は自動車の工場ができたおかげで若い人が増えて結婚や出産が増えていると聞いていました。
今回ネット上で調べてみると、中津市の合計特殊出生率は平成19年から右肩上がりで増加しており、平成27年で1.94になっています。全国平均が1.45、大分県平均が1.59であり、それらと比較しても非常に高い数字であることが分かります。一番低い年の数字が調べられなかったのですが、平成15年の合計特殊出生率は1.55ですので、平成16年から工場が操業を開始したことから考えても、噂どおり、自動車工場の立地により安定した若者の雇用が増え、その結果結婚や出産が増えたことが推定されます。
この工場の立地に当たっては我が県と同様、県の財政が決して豊かとは言えない大分県が自動車会社から求められた中津港の整備を行ったことが大きな決定要因になったと聞いています。
この実例でも分かるとおり人口減少対策には安定した質の高い雇用の確保が有効な手段だと思われます。
県では様々な人口減少対策を行っていますが、引き続き安定した雇用の確保、そして給与水準の向上や福利厚生の充実といった雇用の質の向上に向けて、企業立地、地元企業の生産性の向上や新規創業の促進に向けて努力していきたいと思います。