なぜ、こうした拠点が能代市に開設されることになったのでしょうか。現在県内で稼働している193基の風力発電のうち、エネルコン社製の風車は69基を数え、3割強を占めています。特に能代市に立地する風車は全てエネルコン社製のものになります(1/20現在)。
もし、風車が1基しかなければメンテナンスを行う頻度は低く、定期的なメンテナンスや故障の時には遠方から出張ベースでメンテナンス要員が送られてくることになります。これは輸送費や出張費でコストも高くなりますが、一方、人件費的には現地に人員を配置することも困難です。これが風車の数が多くなれば、定常的にメンテナンスが発生するため現地に人員を配置する方が有利になる訳です。
県はこれまで「秋田県新エネルギー産業戦略」の下で、県内への再生可能エネルギー、とりわけ風力発電の誘致を市町村や地元企業の方々と進めてきましたが、風力発電の合計出力で全国3位、平成27年度の出力の増加量では全国トップという状況の中で、今回の県内へのメンテナンス拠点の立地が実現したものです。
今回立地したメンテナンス拠点は、秋田県内だけでなく、青森や山形といった周辺の地域での業務も視野に入れており、秋田で育つメンテナンス人材が他県でも活躍する姿がそう遠くない日に実現するものと思われます。
新エネルギー関連産業の育成という意味では、まだまだ小さな一歩ですが、今後地元の企業や市町村の皆さんと努力していくことで補修部品の製造など関連産業の一層の拡がりと発展に努力していきたいと考えています。
引き続き県民の皆様のご理解とご支援をお願いしたいと思います。